発病までの私

私は、地元の小中高を卒業後、看護専門学校に入学し家を離れ寮生活となりました。看護師を目指したのは、父が肝硬変を患い入退院を繰り返していたので、看護師になれば父の助けになるかもしれないと思ったことがきっかけでした。看護学校3年の夏に父が肝臓癌と診断され、3ヶ月後に亡くなりました。亡くなる数日前から学校を休み母と付き添いました。意識が朦朧とする中で「病人は看護師さんの優しさに救われる。優しい看護師になりなさい」そして「お父さんは大丈夫だから患者さんのところに行きなさい」と何度も言いました。父が大好きだった私は、父の最期に付き添いながら現実を受け入れるのが困難で、看護師を目指す気力も無くなっていましたが、父の最期の言葉を思い出し、父の娘である事に誇りを持って学校に戻り再実習を受け、国家試験に合格し看護師となりました。そして附属の大学病院に入職、父をがんで亡くして、がん患者さんが多く入院する病棟は避けたい思いから皮膚科病棟を希望し配属となりました。しかし大学病院ですから、皮膚科病棟にも県内から皮膚がんの患者さんも多く入院されていました。この皮膚科病棟での経験が私の看護の原点となりました。

その後5年間務め、結婚退職し出産。子供が1歳半になった頃、近隣の病院に再就職し、5年間勤務中に看護教員養成研修会に参加した事から、病院のグループ内の看護専門学校に転勤し看護教員となりました。臨床と全く違う環境での仕事に戸惑いながらも発病して退職するまで約20年勤めました。

投稿者: kimie

2017年3月に大腸がん発症しました。 手術を受けて半年後に再発、転移〜抗がん剤治療が始まり、 5年が経ちました。発症から現在に至る経過から少しずつ振り返ってみたいと思います。

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